国際宇宙ステーション(ISS)に滞在している宇宙航空研究開発機構(JAXA)の大西卓哉飛行士(49)が20日、記者会見した。ISSは2030年に運用を終える見込みで、自身の滞在は今回が最後になると予想。「一日一日を大切にしながら業務に当たっている。自分にできる全部を、という意識で残りの日々を過ごしたい」と述べた。
大西さんは3月に到着し、4月に日本人飛行士として3人目となる船長に就任した。今回は16年に続く2回目の滞在で「体の適応はかなり良かった。10年ぶりの無重力状態だが、体の細胞一つ一つが感覚を覚えていたのではないか」と話した。
日本の実験棟「きぼう」での実験は重要な仕事だ。「重力に隠されて地上では観測が難しい現象や実験は非常に多い。特殊な環境を利用し、さまざまな成果を人々の暮らしに還元したい」と意気込んだ。
ISSでは、自動で動く球形のロボットが日々、船内を撮影して回っている。ペットのようにも感じられるといい、「愛着を持てる存在が身近にいるのはメンタル的なサポートという意味でも大きい」と語った。