閑散としたイランの首都テヘラン中心部の大通り。普段は時間を問わず大渋滞が起きていた=20日(共同)

 【テヘラン共同】イスラエルとの交戦で劣勢に立たされるイランでは、主要都市の住民の多くが村落部や国外に避難している。連日、攻撃にさらされ、街では出歩く人の姿が消えた。20日、厳戒態勢が敷かれ、静まりかえった首都テヘランを共同通信記者が取材した。通りには自動小銃で武装した迷彩服姿の兵士が数メートルおきに配置されていた。

 13日からのイスラエルの先制攻撃前は常に渋滞していた大通りでは、車はおろか通行人の数もまばら。時折、走り去る車のエンジン音が聞こえるだけだ。細い路地に目を向けても、飲食店や商店はシャッターを下ろしていた。

 テヘランに暮らしていたエンジニアのハディ・サラプールさん(46)はトランプ米大統領が米国の参戦をちらつかせたことを受け、実家があるイラン北部に避難した。「悪夢のようだ。この先何が起きるのか想像もつかない」

 中心部には、16日に攻撃されても中継を続けた国営テレビの女性司会者を英雄視する巨大看板が登場。道路脇には、イスラエルに殺害された革命防衛隊幹部の肖像が並んでいる。