第217通常国会は22日、閉幕した。政府提出法案は59本中、58本が成立、成立率は98%だった。そのうち提出後に修正されたのは12本で、2割に上った。2025年度予算も異例の2回の修正を経て年度内成立にこぎ着けた。少数与党の石破政権は、野党の修正要求を受け入れつつ、5カ月間の国会を乗り切った。
25年度予算を巡っては、衆院審議で日本維新の会が求めた高校授業料無償化を受け入れ、当初の政府案を修正。維新の賛成を得て衆院で可決した。審議が参院に移った後、石破茂首相が野党などの批判を踏まえて高額療養費制度の自己負担上限額引き上げ全面凍結を表明。再び予算案を修正し、参院で可決後に衆院へ回付した。参院で修正された予算案が衆院の同意を得て成立するのは現行憲法下で初めてだった。
「能動的サイバー防御」導入関連法は、野党が求めた「通信の秘密」の尊重規定を明記する修正を実施。年金制度改革法も、基礎年金(国民年金)の将来的な底上げを加える修正に応じ、立憲民主党の賛成を得た。