国土交通省は24日、航空管制の音声でのやりとりに代わり、指示を航空機にデジタル通信で伝え、操縦席のモニターなどに表示する「空のカーナビ」を2040年ごろに実現するとした長期計画を発表した。人工知能(AI)を活用して管制業務や運航を効率化。羽田空港で昨年1月に起きた航空機衝突事故で、海上保安庁機が管制官の指示を誤認したことを踏まえ、安全性向上も図る。
現行の航空管制では、管制塔などから各機に口頭で針路や高度、離着陸の順番を指示し、機体同士が飛行中に接近したり、滑走路上で交錯したりしないよう交通整理をする。ただ口頭伝達はミスの要因にもなり、国交省によると「重大インシデント」は聞き間違いや誤解によるものが多い。
空のカーナビではシステムが全機の位置を把握し、一括して管制する。安全な間隔で飛行できるよう調整しながら、最適な速度や通過時刻をそれぞれの操縦席のモニターに表示させて指示。管制官はシステムを監視し、トラブル時などに介入する役割を担う。安全性が高まり、空港上空などの混雑緩和にもつながるという。