記者会見するispaceの袴田武史CEO=24日午前、東京都中央区

 宇宙企業ispace(アイスペース、東京)は24日、着陸船「レジリエンス(再起)」が月面着陸に失敗したのは、降下に使った高度計の異常で減速のタイミングが遅れたためだったとの分析結果を発表した。社外の専門家と改善策を検討する。開発中の大型着陸船による次回の挑戦は、引き続き2027年を目指すと表明した。

 同社によると、着陸船は6月6日午前3時過ぎに降下を始めた。地面にレーザーを照射し距離を測る高度計が高度3キロまでに稼働する予定だったが、実際に計測を始めたのは高度1キロ付近。急減速が間に合わず、時速約150キロで高度192メートルまで降りたのを最後に飛行データが途絶えた。午前4時15分ごろ、着陸目標から南東約370メートルの地点に衝突した。

 高度計は性能が想定より悪かったか、飛行中に劣化したとみている。前回23年の失敗原因となった、高度センサーと飛行システムの間の連携には問題がなかったという。

 次回に向け、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の協力を得て技術力を向上させる。