【北京共同】中国を代表する高級白酒「茅台酒」の価格が暴落している。主力銘柄「飛天」の卸売価格は節目の2千元(約4万円)を割り込み、2021年のピークから半値ほどとなった。24日は1910元だった。消費低迷に加え、習近平指導部が綱紀粛正で「史上最も厳しい禁酒令」(中国メディア)に乗り出したためで、パニック売り状態となっている。
茅台酒はコーリャンを主原料とする蒸留酒でアルコール度数は50度を超える。中国の「国酒」とも呼ばれ、重要な接待では欠かせない高級酒だ。時間がたつほど熟成されて価値が上がるため投資対象にもなり、数年前まで価格高騰が続きバブルだとの指摘も多かった。
中国メディアによると、飛天の価格は6月に入って2千元を割り込み、18年以来の低水準となった。投機目的の業者などに約1億本の在庫があるとされ、値崩れが加速している。
背景には習指導部が12年に始めた「ぜいたく禁止令」を再び強化していることがある。3月から「飲み食いは腐敗の温床」だとして公費での宴会や民間人との会食を戒める運動を始めた。