フジ・メディア・ホールディングスの株主総会に出席した同社の金光修社長(中央)ら=25日午前、東京都内(同社提供)
 フジ・メディア・ホールディングスの定時株主総会会場=25日午前、東京都内

 フジテレビの親会社フジ・メディア・ホールディングス(HD)は25日、東京都内で定時株主総会を開いた。元タレント中居正広氏による「性暴力」への不適切な対応から生じた経営の混乱を立て直すため、社長に昇格予定の清水賢治専務ら計11人が取締役に就くとするHD側の新体制案を承認。対立する大株主の米投資ファンドが出した独自の役員案は否決した。ガバナンス(企業統治)強化に向け株主の信任を得たが、視聴者やスポンサー企業の信頼回復への道は険しい。

 金光修社長は総会の冒頭、「フジテレビ(問題)で皆さまにご迷惑とご心配をおかけしたことを心よりおわびします」と謝罪し、頭を下げた。総会は、取締役の適任性や法令順守に関する株主からの質問が相次ぎ、約4時間半に及んだ。

 前身のフジテレビ時代から40年以上要職に就き、今回の総会を機に取締役相談役を退いた日枝久氏に関し、清水氏は「新しい人事案は日枝氏の影響力がないと断言できる」と強調。今後の経営については「大胆な改革と成長への取り組みを進める」と語った。