日本郵政は25日、東京都内で定時株主総会を開いた。傘下の日本郵便で、配達員の酒気帯びを確認する法定点呼を適切に実施していなかった問題など不祥事が続出。グループを率いる増田寛也社長は「極めて深刻な事態だと受け止めている」とした上で「おわび申し上げる」と陳謝した。
株主からは、不適切点呼問題に伴う宅配便「ゆうパック」など物流事業の先行きや、労働環境を疑問視する質問が相次いだ。「管理職と現場の意識が乖離している」と企業体質を批判する声も出た。
増田氏の後任の社長に内定している根岸一行常務執行役ら13人を取締役に選任する議案は原案通り可決された。
日本郵便では、ゆうちょ銀行の顧客情報の不正流用も問題になった。日本郵便の2025年3月期連結純損益は郵便物の取扱量減少などが響いて8年ぶりの赤字だった。物流事業の収支悪化も避けられない状況だ。行政処分で取り消されるトラックやバンの運送許可について、日本郵政幹部は「(5年間の処分適用後に)再取得するかどうかは決まっていない」と述べた。