9月に行われる陸上の世界選手権東京大会を前に、国内では各地で海外勢の事前合宿が予定されている。受け入れる各自治体の準備は、過去の経験も生かして着々と進行中。新型コロナウイルス禍で行われた2021年の東京五輪の際には、幻に終わったトップ選手と地域との交流を待ち望む声も多く、関係者は「今回こそは」と意気込む。
東京五輪に続いてギリシャのキャンプ地となる埼玉県三郷市は、今回の合宿を「再挑戦」と位置付ける。当時は公開練習に4日間で計700人余りが訪れたが、感染防止対策で動線は分かれ、規制線越しに記念撮影する程度だった。市企画政策課の児玉紗和さんは「もう少し密な交流をしたかったが、できないことが多かった」と振り返る。
昨年7月にギリシャ側から「またぜひ三郷市で(合宿を)やりたい」と要望があり、再訪が決定。市は今年5月からクラウドファンディングを実施し、500万円を目標に施設拡充や運営などの費用を募る。