神奈川県箱根町の箱根湯本と強羅を結ぶ箱根登山電車で「100形」と呼ばれる旧型車両が人気を集めている。一部車両は木製から鋼鉄製に改造されて今年で75年。今も箱根の急坂を上り下りするベテランの雄姿を一目見ようと、撮影スポットは鉄道ファンでにぎわっている。
スイッチバックで電車がすれ違う大平台駅近くの踏切では18日、見頃を迎えた線路沿いのアジサイをバックに、カメラを持った人たちが次々と訪れて100形を写真に収めていた。動画撮影の補助で来たという女性は「100形は愛嬌があって大好き。長く頑張ってほしい」と話した。
100形車両は「モハ1形」と「モハ2形」の計3両。このうち、モハ1形の2両が1950年に改造され、6年後に残る1両も続いた。
旧型車両にはエアコンがなく、トンネルで吹き込む涼しい風が天然のクーラーとなる。カーブで鳴る「キーキー」という音も魅力という。