環境省は、服や家具など使用済みの製品をそのままの形で再利用する「リユース」によってごみを減らす取り組みを本格化させる。自治体と民間事業者との連携を後押しするほか、優良な事業者を評価する仕組みを整え、市場規模の拡大を目指す。2025年度末までに数値目標などを盛り込んだ工程表を取りまとめる。
節約志向やフリーマーケットアプリの浸透を背景に、リユース市場は拡大している。専門紙のリユース経済新聞の調査によると、自動車や住宅などを除く日本の中古品市場の規模は09年の1兆1274億円から23年には3兆1227億円に増えた。
リユースは新品より低価格なことに加え、ごみを減量し、製造、廃棄に伴う二酸化炭素(CO2)の排出が減るメリットがある。
若い世代の利用が多い一方、環境省の24年度調査では中古品購入について「過去1年では利用したことはない」と答えた人は71・2%に上った。無許可業者による回収や、自宅を訪問して強引に買い取る消費者トラブルも起きており、課題になっている。