サツキマスの通り道に網を仕掛ける松野義行さん。翌朝に1匹掛かっていた=今年5月、瑞穂市の長良川
すば網に掛かったサツキマス=同

 長良川河口堰が7月6日で堰の運用開始から30年を迎える。関わった流域の人たちの証言を通し、今の姿を探る。

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 東の空が白み始める中、肌寒い風を受けながら上流へ舟を操る。目指す先に、サツキマスの通り道に仕掛けた網がある。

 今年5月14日、瑞穂市の長良川。「今年は雪解けで水が冷たて遅かった」。サツキが咲く頃が漁期といわれるが、漁師の松野義行(76)はイバラの花で時季を知る。...