「長良川河口堰を機に抜本的に河川行政を変えるべきだった」と話す宮本博司さん=6月12日、京都市下京区、高瀬川
トロ流し網でサツキマスを捕った大橋修さん=2019年、羽島市、長良川

 長良川河口堰が7月6日で堰の運用開始から30年を迎える。関わった流域の人たちの証言を通し、今の姿を探る。

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 「後は後世の歴史に判断してもらうしかない」

 1995年5月、東京・霞が関の旧建設省。建設大臣(当時)の故野坂浩賢が長良川河口堰(ぜき)の本格運用を表明した。河口堰建設事務所長も務めた元河川官僚の宮本博司(72)=京都市=は会見に同席し、この発言を聴いていた。

 旧社会党の衆院議員だった野坂は、...