河口堰管理所関係者に銀毛アマゴをバケツリレーする白滝治郎組合長(右)=昨年12月、三重県桑名市、長良川河口堰
集荷所から出荷される郡上鮎=6月19日、郡上市八幡町、郡上漁協

 長良川河口堰が7月6日で堰の運用開始から30年を迎える。関わった流域の人たちの証言を通し、今の姿を探る。

      ◇

 ふ化して間もないSの字の形をした鮎の仔魚(しぎょ)。プランクトンのワムシを与えるとぴょんぴょんと透明な体を伸ばし、ついばんだ。

 1979年10月、当時水産学科の大学4年生だった白滝治郎(67)=郡上市=は、卒業論文のため、人工種苗生産の試験が行われていた美濃市生櫛の美濃試験地に通い始めた。ふ化から80日余を観察し、「あれだけ弱い時期を...