熊野速玉大社の「扇立祭」を前に、虫干しのため蔵出しされた「檜扇」=4日午前、和歌山県新宮市

 和歌山県新宮市の世界遺産・熊野速玉大社で4日、豊作や無病息災を願い14日に行われる「扇立祭」を前に、神前に立てる7本の優美な「檜扇」が虫干しのため蔵出しされた。

 大社は、室町時代に作られたとされる国宝などに指定された檜扇11本を保管。祭りでは1964年に作った複製品7本を使う。ヒノキの薄い板に松竹梅やシラサギなどが描かれ、金箔や銀箔が施されている。

 7本のうち一番大きな扇は高さ1・5メートル、幅1・65メートルで、本殿前に飾る。他の6本は高さ0・8メートル、幅1・3メートルで、各社殿に立てる。

 神職の浜中孝成さん(49)は「猛暑の夏を迎え、熱中症にかからないようにと願った」と話した。