7日、レソトの首都マセルで共同通信のインタビューに答えるセリレ貿易相(共同)
 レソトの首都マセルで操業を停止した繊維工場=7日(共同)

 【マセル共同】トランプ米政権の「相互関税」を巡り、世界最高水準の税率50%とされたアフリカ南部レソトのセリレ貿易相が7日、首都マセルで共同通信のインタビューに応じた。米政府が各国に送るとしている税率を通知する書簡について、「通信アプリで米通商代表部(USTR)に尋ねても音沙汰がない」と不安な心中を吐露した。

 レソトは人口233万人で、周囲を南アフリカに囲まれた世界最貧国の一つ。米市場向けの繊維産業が国家経済の一翼を担っている。

 セリレ氏によると、4月上旬の税率発表後すぐに交渉を打診したが、米側から返答が来たのは6月上旬。「税率引き下げと引き換えに『難民を受け入れろ』といった支離滅裂な内容ではなく、要求は経済分野に限定されていた」と振り返った。

 トランプ大統領は7月3日に書簡送付を表明。普段から通信アプリ「ワッツアップ」でやりとりしていたUSTR幹部にチャットで「進展はありますか」とためらいつつ尋ねたが、7日時点で返信はない。