JA全農たまごは9日、鶏卵価格の目安となる卸売価格(東京地区、Mサイズ)が1キロ当たり335円だったと発表した。前年7月平均の200円と比べ1・7倍。過去最高の350円に近い水準で推移している。高病原性鳥インフルエンザの感染拡大に伴う鶏の殺処分から供給量の回復が遅れているため。生産コストも上昇する中、猛暑が追い打ちをかけている。コメや野菜に加え、卵も高止まりすれば食卓や外食に痛手だ。
例年は夏場に入ると値下がりに転じる傾向がある。だが、日本養鶏協会によると、今年は「異例の暑さ」で鶏の食欲が下がり、卵が小玉になっているという。Lサイズ以上が購入しづらくなり、外食業者などによるMサイズの購入が増えれば需給はさらに逼迫する可能性がある。
東京以外も名古屋地区がMサイズ345円、大阪は330円、福岡が335円と同じ傾向だ。
農林水産省によると、鳥インフルを受け2024年10月〜25年2月に全国で約932万羽が殺処分の対象となった。