
サンビレッジ国際医療福祉専門学校作業療法学科・言語聴覚学科 モレラ岐阜で親子イベント
体や口内を動かす大切さ伝える
病気やけがによって、これまでできていたことができなくなってしまった際にお世話になるのがリハビリのスペシャリストです。作業療法士は、箸を使う、洗濯物を干すなどの日常生活行為が難しくなった方、言語聴覚士は、「話す」「聞く」「食べる」といった機能に問題が生じた方向けにリハビリプログラムを考え、回復を支えていきます。
これだけを聞くと、作業療法士や言語聴覚士の活躍の場は限られているようにも感じますがそんなことはありません。近年では子どもの発達フィールドでの存在感が増しており、作業療法士は、小学校を訪問し、担任教諭とも協力しながら困難を抱える児童に対してフォローする取り組みも出てきています。言語聴覚士は上手にかめない、吃音などでうまく話せないという子どもに対して専門的なアプローチができることから、発達支援の現場において極めて重要な役割を担っています。

そんな作業療法士と言語聴覚士の養成に携わる揖斐郡池田町のサンビレッジ国際医療福祉専門学校(通称・サンビ校)では、さまざまな悩みに直面しながら子育てをしている保護者に、普段の遊びにも成長を促すヒントが詰まっていることを知ってもらおうと昨年から、子どもたちに楽しみながら体を動かしてもらうイベント「わくわく忍者ランド」を行っています。今年は6月28日と7月19日に本巣市三橋のモレラ岐阜の地域情報発信拠点「岐阜新聞メディアばこ」で開催。28日は3~7歳を中心に89人の子どもたちが参加しました。

子どもたちは「忍者ランドMap」を受け取り、8つの「修行ミッション」に挑戦。「水とんの術」のコーナーでは、四つんばいになって網をくぐり、さらには体をよじらせて網に張り付けられた絵を確認していました。目をつむった状態でお菓子を食べてお菓子の形を当てる「全集中!顔変の術」では、「食べる」という動作においても口や舌の筋肉の発達が密接に関わっていることを体感していました。他にもけん玉や折り紙などを行う「五感鍛錬の術」や「暗号かいどくの術」と銘打ったパズルのコーナーなどもありました。忍者ランドMapには、それぞれのミッションがどのような成長につながるかが書かれており、保護者らは、当たり前に行っている動きの大切さを理解していました。
今回のイベントは、サンビ校の学生や、教員が授業を受け持っている岐阜総合学園高校の生徒らの生きた学びの場としても位置付けており、20人ほどの学生や生徒も参加。言語聴覚学科1年の山見さんは「普段、幼い子どもと接する機会がないので、スイスイとパズルをしている様子などを見れて参考になった」、米原さんは「ちょうど言語発達学の授業で定型発達や発育の遅れについて学んだばかり。アウトプットにつながった」と話していました。
次回7月19日は午前11時から午後3時まで、今回と同じモレラ岐阜の岐阜新聞メディアばこで開催。参加無料で入退場自由。サンビ校の教員らは「買い物ついでに気軽に体を動かしに来ていただければ。うまくできない場合は専門職の目線からアドバイスができるので、運動神経などで悩んでいる方も相談の場としても活用してほしい」と話しています。