奈良県内の市立小学校に通っていた当時6年の男児が複数の男子同級生から性的ないじめを受けた問題で、男児側の代理人弁護士が「学校による調査の公正・中立性に疑義がある」などとして、この市と市教育委員会に再調査を申し入れたことが17日、分かった。16日付。聞き取り調査は学校教員らが実施し、第三者や専門家は関わっていなかった。

 学校の調査報告書や男児側の代理人弁護士によると、男児は昨年6〜10月の7回、校内の男子トイレなどで、同級生3人の要求で性器を見せる行為などをさせられたとして、学校が調査を開始。4件がいじめに当たると判断し、残り3件はいじめとして認定しなかった。

 代理人弁護士によると、調査メンバーには男児の担任だけでなく同級生らの担任が含まれており、男児側は申し入れ書で「中立・公平に実施されたとは評価できない」と指摘。いじめではなく性被害だとした上で「性被害者特有の(抵抗を弱めてしまう)迎合行為や、自己批判感情から処罰感情が弱まっていた可能性が分析されていない」として、専門家が関与すべきだとした。