カナダのコンビニ大手アリマンタシォン・クシュタールは16日(日本時間17日)、セブン&アイ・ホールディングスに対する買収提案を撤回したと発表した。理由について「誠実で建設的な協議に応じていない」と説明し、セブン側の対応を批判した。買収を巡って対話路線を取ってきたクシュタールが今後、敵対的な姿勢に転じるかどうかが注目される。
セブンは、米独禁法上の懸念などを念頭に「想定され得たものとして受け止めている」とコメントした。
クシュタールはセブンの取締役会に送付した書簡を公開し、経営陣との会談では新たな情報をほとんど得られず、資産査定の内容も限定的だったと主張。創業家との対話も求めたが応じられなかったと明らかにした。「意図的に混乱や遅延をもたらしている」として、セブンの企業統治に強い懸念を示した。
クシュタールは2024年7月、セブンに買収を提案。セブンが賛同できないと表明すると、買収金額を約7兆円に引き上げて再提案した。セブンは自社単独での経営を維持する方針を示していた。