気象庁=東京都港区

 台風の情報発信を見直す気象庁の有識者検討会は17日、5日先までの進路予報を現状の24時間刻みから6時間刻みにすることや、発生前から1〜2週間先の台風の見通しを新たに示すことを盛り込んだ報告書案をおおむね了承した。気象庁は2030年までの順次導入を目指す。きめ細かな発信により、住民の早期の備えや自治体の避難情報発令、公共交通機関の計画運休の判断に役立ててもらう狙いがある。

 気象庁によると、進路を6時間刻みで発表することで、居住地域に接近するかどうかや、影響を受けそうな時間帯の見通しの把握がしやすくなる。

 発生前は、現状では熱帯低気圧が24時間以内に台風になる見通しとなるまで情報を出していない。報告書案では、1〜2週間先までに台風が存在する確率が高い領域を示し「東日本に接近する可能性がある」といった説明を付ける想定だ。発生から上陸までの期間が短い場合に有効という。

 風の情報は、現状の暴風域(風速25m以上)に入る恐れがある範囲に加え、新たに強風域(風速15m以上)の予測も提供する。