23年ぶりに復党した自民党から比例代表で立候補した鈴木宗男氏(77)は、21日早朝に札幌市の事務所に現れ、敗色濃厚として「選挙には(もう)出ない。終止符だ」といったんは引退を宣言した。数時間後に当選確実となり、事務所は騒然。同日正午ごろ、長女で自民の鈴木貴子衆院議員と戻った鈴木氏は声を詰まらせながら「目に見えない力により生かされた。しっかり働きたい」と述べた。
事務所には支援者ら25人ほどが集まり、拍手で迎えた。鈴木氏は「与党にとって厳しい結果だ。(選挙戦で)自民を立て直すと言ってきた。しっかり実行したい」と強調した。
選挙戦ではライフワークと位置付ける北方領土問題の解決に取り組むと強調。本土最東端の北海道・納沙布岬から沖縄の離島まで精力的に足を運んだ。貴子氏と街頭に立ち「最後の戦い」と支持を呼びかけた。
鈴木氏は2002年に北方四島支援を巡る疑惑などで自民を離党。19年の参院選比例代表で日本維新の会から当選したが、23年、自身のロシア訪問を巡り離党した。