日本オリンピック委員会(JOC)の橋本聖子会長らが、米国の原爆投下から80年となる8月6日に広島市、9日に長崎市を訪れ、平和式典に出席する方向で調整していることが22日、関係者への取材で分かった。橋本氏は6月にJOC初の女性トップに就任。スポーツを通じた世界平和への貢献という五輪の理念を重視しており、新体制の姿勢を示す狙い。JOCが公式に原爆の日の式典に参加するのは初めてとみられる。
関係者によると、橋本氏が10日の理事会で戦後80年の節目の年に被爆地を訪れて祈りをささげる意向を表明したという。
被爆2世の渡辺守成副会長は広島市の式典に参加。原爆資料館の見学も行う予定となっている。橋本氏と同じく五輪メダリストの太田雄貴専務理事や井上康生常務理事も参列する計画。
五輪と被爆地を巡っては、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長(当時)が2021年の東京五輪開幕前に広島市の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花。大会組織委員会会長を務めていた橋本氏も同行した。