長野県松本市は22日、松本市立病院で4月、胎内の赤ちゃんの心拍数に異常があったのに助産師が医師に報告せず、仮死状態で生まれる医療事故があったと発表した。「回復するため問題ない」と考えていたという。赤ちゃんは低酸素性虚血性脳症と診断された。
病院によると、20代の女性が陣痛を訴えて入院し、重症妊娠高血圧症候群と診断された。その後、心拍モニターで赤ちゃんの心拍数の異常波形が相次いで見つかったが、50代の女性助産師2人は医師に報告しなかったという。
分娩が進行して医師が呼ばれ、赤ちゃんは仮死状態で生まれた。病院は現在の容体や性別を明らかにしていない。
病院が設置した調査委員会は「助産師によるモニター分析がされておらず、発見が遅れたことによる医療過誤」と指摘した。病院側は6月、女性らに謝罪。助産師2人の処分は今後検討する。
臥雲義尚市長は22日の記者会見で「最大限の補償をしていく」と話した。市は、松本市立病院での分娩を休止する。