【バンコク共同】タイとカンボジアの両国軍が24日、領有権を争う国境地帯で武力衝突した。タイ政府によると、カンボジア軍のロケット砲攻撃などで少年を含む民間人計11人が死亡し、20人以上が負傷。タイ軍兵士も1人死亡し、7人が負傷した。タイ軍は戦闘機でカンボジアの軍事拠点を空爆したと表明。にらみ合っていた両国の関係が急速に悪化し、衝突激化が懸念される。カンボジアは国連安全保障理事会の緊急会合開催を要請した。
タイ軍によると、カンボジア軍の砲弾はガソリンスタンドや家屋などの民間の建物に着弾した。国境を接するタイ東北部のシーサケート県、スリン県、ウボンラチャタニ県で死者が出た。国境地帯の衝突に民間人が巻き込まれるのは異例。タイメディアによると約4万人が避難した。
衝突は24日早朝、タイがスリン県、カンボジアがウッドーミアンチェイ州に所在すると主張する寺院の周辺で発生し、他地域に拡大したとみられる。カンボジアはタイ軍が寺院に進軍し、攻撃を始めたと主張。タイ側はカンボジア軍が先に武器を使用したと説明した。