共同記者発表に臨む(左から)EUのコスタ大統領、石破首相、フォンデアライエン欧州委員長=23日午後、首相官邸

 政府は、外国勢力による交流サイト(SNS)を通じた国内世論への情報工作が懸念される現状を踏まえ、欧州連合(EU)と偽情報対策に関する対話枠組みを年内に始動する方向で調整に入った。政府関係者が26日、明らかにした。国際的な情報戦が激しさを増す中、基本的価値を共有するEUとの連携を強化し、実効性のある対策を模索する。

 国政、地方選挙でSNSの影響力が高まり、偽情報の拡散や候補者らへの誹謗中傷が問題化している。日本政府は外国勢力による介入について「わが国も対象になっている」(青木一彦官房副長官)との認識を示している。ロシアからの情報工作にさらされ、対策が進むEUの知見を取り込みたい考えだ。

 石破茂首相は23日、EUのコスタ大統領、フォンデアライエン欧州委員長との定期首脳協議を官邸で開催。共同声明に、外国による情報操作・干渉に関する日EU対話を盛り込んだ。

 政府関係者によると、対話は外交当局の実務者が参加。情報工作に対する脅威評価や対応策、協力の在り方について協議する。年内の初会合開催を検討している。