長崎家裁=2015年
 長崎家裁が特別保存を決定した記録の一覧

 長崎県佐世保市で2014年7月、高校1年だった元少女(26)が同級生の女子生徒=当時(15)=を殺害した事件に関する記録3件を、長崎家裁が事実上の永久保存に当たる「特別保存」の対象としたことが、同家裁への取材で分かった。事件翌年の少年審判の他、少年院への収容継続についての内容も含まれており、社会的意義を有する記録として後世に引き継いでいく。事件は26日で発生から11年となった。

 最高裁は従来、裁判や訴訟の記録で史料的価値の高いものは事実上永久保存するよう定めていたが、22年に重大少年事件などの記録廃棄が発覚、最高裁が昨年1月に保存対象の統一基準を示した。

 長崎家裁は3件を特別保存の対象と認定し、今年6月に一覧表を公開。内容は事件番号、事件名、終局日のみだが、取材に対し、いずれも佐世保市の元少女の事件に関する記録と明らかにした。

 今回特別保存とされたうち、1件は事件記録で、ほか2件は元少女の20歳と23歳を超える少年院収容継続に関する審判関連記録だった。