北陸新幹線の敦賀(福井県)―新大阪延伸を巡り、京都府を拠点とする美術家ら有志は30日、京都市などを通る現行の「小浜ルート」に反対し、計画再考を求める要望書を松井孝治京都市長宛てに提出した。京都の地下水が生み出す四季折々の風景は、芸術を育む上で欠かせないとし、要望後に記者会見した美術家は「市長にも反対してほしい」と訴えた。
要望書は、日本画家の畠中光享さんや、絵本作家の田島征彦さんら73人が名を連ねた。地下水脈の破壊や景観の損失などの恐れを指摘し「京都で暮らす人々が、豊かな水を得て花咲いている歴史的景観、工芸文化などを犠牲にしてまで新幹線を引いてほしいと願っているとは到底思えない」とした。