滋賀県警の池内久晃本部長は7日、同県東近江市の湖東記念病院で2003年に患者が死亡し、殺人罪で服役後に再審無罪が確定した元看護助手西山美香さん(45)と同県彦根市内で面会し「逮捕から21年、言葉では言い表せないご心労、ご負担をおかけして大変申し訳ありませんでした」と頭を下げて謝罪した。
西山さんが04年に殺人容疑で逮捕されて以来、県警トップの本部長が直接謝罪するのは初めて。
西山さんが国と県に損害賠償を求めた訴訟で、大津地裁は先月17日、県警の捜査の違法性を認め、県に約3100万円の賠償を命じる一方、国への請求は棄却。その後県側は控訴を見送ることを明らかにし、西山さん側は先月31日、国のみを相手取って控訴した。
地裁判決は、刑事が西山さんの否認調書を作成せず、虚偽自白を維持させたと指摘。また患者が「たん詰まり」で死亡した可能性を示す捜査報告書を送致しなかったと認定した。一方、検察の起訴は合理性があったとして国への請求は退けた。