人事院は7日、2025年度の国家公務員給与を引き上げるよう国会と内閣に勧告した。最も人数が多い行政職は月給を平均3・62%(1万5014円)引き上げる。3%を超える増加は1991年度の3・71%以来、34年ぶり。民間の賃上げが進んだことに加え、人材確保のため、比較対象となる民間企業の規模を大きくしたことが要因だ。
ボーナス(期末・勤勉手当)は0・05カ月増の4・65カ月分で、月給とボーナス両方のプラス勧告は4年連続となる。勧告は地方公務員の給与改定の参考となるため、各地の自治体でも給与増が進む見通しだ。
人事院は毎年、国家公務員の給与水準が民間と釣り合うよう勧告する。今年から、調査対象企業を現在の従業員50人以上から100人以上に引き上げた。政策の企画立案を担う本府省職員の場合も500人以上から千人以上とした。一般的に企業規模が大きいほど給与は高い。公務員の志願者減が続く中、民間企業に見劣りしない処遇が必要と判断した。
官房長官らで構成する関係閣僚会議が勧告を受け入れるかどうかを検討する。