【テニアン共同】太平洋戦争時、広島、長崎への原爆投下の出撃拠点となった米自治領・北マリアナ諸島テニアン島のエドウィン・アルダン・テニアン市長(55)が8日までに共同通信のインタビューに応じた。「再び(核使用の)過ちを犯せば私たちは消え去ってしまう」と述べ、核兵器がある限り「世界は少しも安全にはならない」と核廃絶の必要性を訴えた。
世界に核弾頭が1万発以上ある現状を念頭に、核保有国に向け「自ら核を持っていながら他国に『持つな』と言うことはできない」と強調した。
アルダン氏によると、原爆投下から60年の2005年以降、テニアン市は毎年8月に原爆犠牲者の追悼集会を催してきた。開戦時、日本の統治下にあったテニアン島には多くの日本人が暮らしており「戦没者の遺骨や統治時代の建物も残っている。日本と無関係ではいられない」と語った。
子どもの頃、原爆投下によって戦争が終わり多くの命が救われたと教えられたが「真実は誰にも分からない。原爆をたたえることはしない」とも断言した。