末期がんや難病患者向けホスピス型住宅の最大手「医心館」で、入居者への訪問介護の対応に問題があったとして、青森市が改善を指導していたことが10日までに分かった。運営元の「アンビスホールディングス」(東京)の特別調査委員会が発表した報告書で明らかになった。
医心館は住宅型の有料老人ホームで全国に約130カ所あり、入居者向けの訪問看護と介護のステーションを併設している。
報告書によると、青森市は市内の医心館でスタッフが訪問介護の提供中、他の入居者のナースコールに対応するため部屋を移っていることを問題視。本来は別のスタッフが対応すべきであるため、「訪問介護の提供中は他の業務に従事しないよう、勤務体制の見直しなど対策を講じること」を指導した。
アンビス側は「ナースコールより予定の訪問介護を優先すべきだとの指導は形式的で、命を軽視している」と反発。ただ報告書はこうした事態が生じていた要因として、十分な人員を配置していなかったと指摘しており、アンビスは最終的には市の指導に従った。