単独会見に応じるイランのラバンチ外務次官=9日、テヘラン(共同)

 【テヘラン共同】イランのラバンチ外務次官は9日、首都テヘランで共同通信と単独会見した。米国による対イラン制裁の解除と引き換えに「一定の期間、核開発に対する制限を受け入れる」と述べ、ウラン濃縮度を引き下げる意向を表明した。譲歩する姿勢を示すことで、核開発拡大を懸念する欧米の圧力を少しでも緩和させたい狙いがありそうだ。

 ウラン濃縮停止を求める米国と反発するイランの隔たりが大きく、米イランの核協議は停滞している。イランはウラン濃縮度を核兵器級の90%に接近する60%まで高めているが、ラバンチ氏は引き下げの度合いについて言及しなかった。ウラン濃縮停止は「論外だ」と重ねて拒否した。

 ラバンチ氏は米国が「対話するふりをしてわれわれを欺いた」と非難する一方、米国との「対話に臨む用意がある」と語った。「誠実な対話を築くため」攻撃の理由について説明責任を果たすよう要求し、協議では補償を求めるとした。

 仲介国を通じて米国とやりとりを続けていると明らかにしたが、協議の再開時期の見通しは示さなかった。