14日、アフガニスタンの首都カブールで、復権4年を祝って掲げられたタリバンの旗(共同)

 【カブール共同】アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの復権から15日で4年。トランプ米政権が難民受け入れを一時停止し、隣国パキスタンやイランは強制送還を含むアフガン難民の帰還を進め、国連によると今年に入り帰還者が急増、約200万人に上っている。中学生以上の女子教育停止など圧政が続き、困窮する市民は多く、将来への不安が広がっている。

 首都カブールの一時受け入れ施設にはここ1カ月、日々2千〜8千人の帰還者が訪れる。周辺国からアフガン入国後、バスなどで施設に到着、出身地に向かう別の車両に乗り換える。青いテント約100張りが並び、運営担当のタリバン暫定政権当局者によると24時間まで滞在できる。

 8年住んだイランから送還され北部タハル州に一家7人で戻る途中のムハンマド・ナシムさん(50)は「家も仕事もない。将来が不安だ」と語った。北部バグラン州に向かうバスに一家8人で乗ったピール・ムハンマドさん(60)は「ゼロから立て直さなければならない。6年前にイランに行った時と同じ」と無力感を漂わせた。