1966年の静岡県一家4人殺害事件で死刑となり、再審無罪が確定した袴田巌さん(89)の弁護団は18日、国と県を相手取った国家賠償請求訴訟について、請求額を6億円前後とする方針を決めた。関係者への取材で分かった。昨年、再審無罪判決が言い渡された9月26日にも、静岡地裁に提訴する。
関係者によると、請求の内訳は、身体拘束された期間に働いて得られたはずの利益の他、不当に拘束され、死刑執行の恐怖にさらされてきた精神的苦痛に対する慰謝料が含まれる。また、2014年に釈放されて以降も拘禁症状が残っているとして、釈放後の慰謝料も求める。今後、詳細を算定する。