パレスチナ自治区ガザ北部ガザ市で、イスラエルの攻撃後の現場を調べる人々=20日(ロイター=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍は20日、パレスチナ自治区ガザの中心都市、北部ガザ市の制圧計画に伴い、約6万人の予備役に招集命令を出したとX(旧ツイッター)で発表した。英スカイニューズ・テレビは19日、既にガザ市から数千人が退避したと報じた。軍は周辺の攻撃を強めており、本格侵攻を恐れた住民の移動が進んでいるもようだ。

 イスラエルメディアによると、ガザ市制圧計画では約13万人の予備役を動員するとみられ、既に7万人が招集されている。カッツ国防相は19日、イスラエル軍の制圧計画を承認した。ガザ市では推定で約100万人が避難生活を送っており、作戦実施なら、住民にさらなる犠牲が出るほか、人道危機が一段と悪化するのは必至だ。

 イスラエル軍は住民に南部ハンユニス西方マワシ地区などへの退避を要求するが、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)によると、同地区で16、17両日、イスラエル軍が避難民のテントを攻撃し、9人が死亡した。