米カリフォルニア州ロスガトスのネットフリックス本社に掲げられたロゴ=2022年4月(ゲッティ=共同)

 米動画配信大手ネットフリックスが、来年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本での独占放送権を獲得した。近年はボクシングの井上尚弥(大橋)の世界タイトルマッチで地上波中継が行われないなど、スポーツ界でも動画配信の躍進が目立つ。球界にも時代の波が押し寄せた。

 当初は前回大会と同様にテレビ朝日系とTBS系が地上波で中継することで交渉が進んでいたという。ただ、前回大会の日本国内の過熱ぶりに米大リーグ機構(MLB)を中心とした主催者は注目。関係者によると、国内テレビ局では手が出せないレベルまで放送権料が高騰化したという。

 球界のある関係者は「米国は視聴料を払ってスポーツの試合中継を見ることに慣れている。ただ、日本国内ではまだ地上波放送も重要」と指摘する。放送権の契約は米国側の特権事項。それでも全国各地への試合中継が野球振興にもつながると考え、日本野球機構(NPB)からMLB側に国内の地上波放送の継続を働きかけたという。ただ、覆せなかった。(共同)