農林水産省の2026年度予算の概算要求案が26日、判明した。総額は25年度当初予算と比べて17・1%増の2兆6588億円とする。需要の見誤りによりコメ不足と価格高騰を招いたとの反省から「米の需要に応じた増産実現予算」と位置付け、供給体制の見直しを促す。新たな栽培法を普及させる上での課題を検証し、高温に強く収穫量の多い新品種への切り替えを後押しする。
乾いた田んぼに種もみをまく「乾田直播」と呼ばれる栽培法の有効性や技術的な問題点の調査などとして、40億円を新たに計上する。乾田直播は苗作りや田植えの必要がないため省力化が期待できる一方、雑草が生えるほか、収穫量は田植えよりも少なくなる。政府は水田を維持するために実施してきた生産者支援策を27年度から見直す方針で、乾田直播も交付金の対象に追加することを視野に入れる。
農機データなど最新のデジタル技術を使い、正確な生産量を把握するための政策には8億円を盛り込んだ。農水省は約70年続けてきたコメの「作況指数」を廃止することを決めている。