人へのリスクが低いとされ、日焼けしにくいタイプの紫外線を使い、物の表面に付着したウイルスなどに光を当てて消毒する装置を開発したと、徳島大などのチームが28日までに米専門誌に発表した。装置は天井などへの設置が可能。アルコール消毒と比べて手間を大幅に減らせることが期待できるといい、3年後の実用化を目指す。
今回は、一般的に殺菌に使用する波長260ナノメートル(ナノは10億分の1)の紫外線ではなく、「遠紫外線」と呼ばれる228ナノメートルの紫外線を利用。遠紫外線はウイルスに対しては貫通して殺菌するものの、人間の皮膚の細胞までは届かないため悪影響を与えにくいという。徳島大の馬渡一諭講師は「感染に弱い患者やお年寄りを守ることができる」と話す。
チームはリン酸アルミニウムなどの三つの物質を配合した蛍光体を塗ったガラス管を開発した。電流を流すとプラズマが発生、そこで作られる真空紫外線が蛍光体に触れることで、228ナノメートルの紫外線が放射される。