首相官邸
 経済安全保障に関する新機関の主な役割

 政府が、経済安全保障の総合的なシンクタンク機能を持つ新機関創設を検討していることが分かった。重要技術や半導体など重要物資のサプライチェーン(供給網)への脅威が増す中、情報収集・分析能力の強化を図る。官民連携の中核的役割や友好国のシンクタンクとの国際協力も担う。まずは政府関係機関の人員増強と連携を進め、新機関創設につなげる段取りを検討している。複数の政府関係者が31日、明らかにした。

 新機関では、各国の貿易統計や各業界へのヒアリング、民間が持つ航路情報を活用して供給網のリスクを洗い出し、各省庁に提供する。分野横断的なデータ活用も促進する。官民協議会の運営を行い、分析結果の民間への共有や民間からのフィードバックを推進する。

 政府の検討案では、新機関創設に向け、第1段階として国家安全保障局(NSS)が司令塔となって経済安保を担当する経済産業省と内閣府が2026年度に設置する先端技術のシンクタンク「重要技術戦略研究所」の連携を推進。第2段階で、省庁横断で情報収集・分析を担う人員・機構を強化する。