「ほこみち」に指定された長良橋通り=岐阜市神田町

 道路空間を活用し、まちのにぎわいづくりにつなげる「歩行者利便増進道路(通称・ほこみち)」に、岐阜県内では岐阜市神田町の国道157号(長良橋通り)など3カ所が初めて指定された。指定区域ではオープンカフェやテラスなどの設置条件が緩和され、日常的な占用が可能になる制度。歩いて楽しいまちづくりを進められるとして、地元商店街や住民は期待を寄せている。

 3カ所は、岐阜市神田町の長良橋通り(約540メートル)、大垣市高屋町~郭町の県道大垣停車場線(約520メートル)、高山市花岡町~総和町の県道高山停車場線(約220メートル)。地元商店街や住民の要望を受け、県が管理する道路を指定した。

 国土交通省道路局や県道路維持課によると、近年、自動車交通量の減少や都市部のにぎわいづくりのため、道路空間の利活用が各地で進められてきた。新型コロナウイルス感染拡大以降、店内の飲食が敬遠されるようになり、2020年6月に飲食店などの道路の占用基準を緩和する「コロナ占用特例」が導入され、全国420カ所以上が指定されている。ほこみちは条件がより緩やかなため、コロナ占用特例から移行する道路が増えているという。

 岐阜市神田町のピザ店「ダ・アチュ」はコロナ占用特例を利用して、店の前にテーブル席を設けている。オーナーの若原敦史さん(49)は「コロナが広がってからは屋外で食べる来店客は増えてきた。他の店もやってくれたら、きっと通りに活気が生まれる」と期待を膨らませている。

 ただ、ほこみち制度の認知度には課題もある。岐阜市商店街振興組合連合会は長良橋通り沿いの商店街アーケードにPRの旗を設置するなど周知に努めている。理事長の北川均さん(74)は「指定された道路の近くでは大型マンションができている。新しい住民に商店街へ来てもらえるよう楽しい通りにしていきたい」と話した。

 【歩行者利便増進道路】2020年成立、同年11月に施行された改正道路法に基づく制度。通称ほこみち。昨年末時点で全国49カ所が指定を受ける。国や各自治体などの道路管理者が指定し、道路空間活用の許可基準を緩和する。テーブルやベンチ、看板などが設置しやすくなり、民間の創意工夫あふれる空間づくりができる。占用者は最長20年間使用が許可され、テラス付きの飲食店など初期投資の要る施設も参入しやすい。道路の維持管理に協力することを条件に、占用料が1割に減額される。