
緊急用担架で利用者を迅速に2階へ 神戸町・ラック

いつ発生するかわからない災害。施設の職員の出勤が困難になり、普段よりも少ない人数で利用者のケアをしなければならないことにもなりかねません。そこで安八郡神戸町の特別養護老人ホームラックでは、事業継続計画(BCP)対応訓練を行いました。
訓練は、職員の半数が出勤できない中、1階が浸水、停電したため、1階の利用者をエレベーターを使わずに2階に連れて行くという想定。職員8人が参加しました。人を乗せる部分を空気で膨らますことができる緊急用担架を新たに用意し、利用者役の職員が担架から落ちないように固定する手順や、2、3人で担架を引きずりながら階段を通る際の注意点を確認しました。

利用者役をした江崎さんは「担架で移動することで、腰などが痛くならないか、固定されて苦しくないか、怖くないかなどの心配がありましたが、エアベッドのような部分に守られ、おんぶよりもよっぽど安心感がありました」と話します。
業務部長の堀口さんは「昨年の能登半島地震の発生から間もない時期に5日間、現地へ応援に行きました。施設が全壊などした場合は福祉避難所に行けるまで、いかに利用者の命をつなぐかが大きな課題だと感じました。今回の訓練で見えてきたことを参考により良い形を探っていきたい」と話しています。