やりがい聞いてみました

特性と向き合いながら働く 羽塚さん(心音ケアセンター土岐・土岐市)

自分自身の特性と向き合いながら働く羽塚さん。「何が大丈夫で何が難しいかをはっきりと伝えることが大切」と日々感じている=土岐市肥田浅野元町、心音ケアセンター土岐

-介護職員になったきっかけは。

 高校生の頃は保育士を目指していました。しかし中学生の時に自閉スペクトラム症と診断され、医師の勧めで通信制高校サポート校に通っていたこともあり、その先の進学は断念して別の道を探すことにしました。

 保育士が難しくても人のケアに携わりたいという気持ちは変わらず、介護職に興味を持ちました。心音ケアセンター土岐は私が小学生の頃に曾祖母がお世話になっていました。たまたま求人票で見つけたため、体調のことを含めて相談し、勤務時間等の配慮をしてもらいながら今年4月から働いています。縁のある施設で働けていることを家族はとても喜んでくれています。

-働く上で気を付けていることは。

 私の場合、パッと見ただけではなかなか気付かれない分、「サボってる」などと言われやすいです。ですから自閉スペクトラム症のことはオープンにしています。それだけでなく、症状には個人差があることから、何が大丈夫で何が難しいのかもはっきりと伝えることが大切だと感じています。必要に応じて障がい者の就業支援機関のジョブコーチにも間に入ってもらっています。

 私の場合、一度に複数の指示を出されると混乱しますが、一つ一つであれば対応できます。また、においと音に敏感です。そのためトイレ介助はなしにしてもらっています。音に関してはいきなりお皿が割れたりすることは避けきれませんが、そういった時にクールダウンできる環境を整えていただいています。

 勤務自体は週3日、午前10時30分から午後5時30分まで働いています。週5日働いたこともありましたが体が持たなかったので、一日行ったら一日休むという働き方に変えました。自分のペースが作りやすくなり、欠勤することはほとんどなくなりました。

-今後の目標は。

 人と関わることは好きですから、利用者ともいろいろな話がしたいのですが、人見知りがあるため徐々に関係を作っているところです。少しずつ、できることを増やしていけたらと思っています。

 資格については、就職してすぐに認知症介護基礎研修を受けました。認知症そのもののことや人それぞれ対応を変える必要があることなどを知れて興味深かったです。介護職員初任者研修や介護福祉士国家資格を「取りたい」と宣言することは難しいですが、介護の知識は少しずつでも増やしていきたいです。
 

株式会社ウイックスを担当する渡邉介護事業部長(看護師)の思い

 障がいや病気のある方でも働ける企業であることは、ご本人たちのためはもちろん、この先、施設が存続していくためにも大切なことです。

 障がいや病気を抱えている職員とは半期ごとに面談を行い、次のステップに進むか、今のままを望むのか、何につまずいているのかを明確にしてフォローにつなげています。また、羽塚さんのように障がい者の就業支援機関の方に間に入ってもらったり、若い方であれば保護者との面談も行ったりして必要なサポートにつなげます。

 もちろん、既存の職員の負担にも目を向ける必要があります。情報共有を密にし、全ての職員が働きやすい職場にできるよう、今後もあらゆる点を見直していきたいです。