自宅でオンライン授業を受ける小学生=岐阜市内

 岐阜など19都道府県で、発令中の緊急事態宣言が30日まで延長されることが決まった。これを踏まえ、岐阜県内には夏休み明けの本格的な学校再開を先送りし、オンライン授業や分散登校を継続する自治体もある。無料通信アプリLINEで読者とつながる「岐阜新聞あなた発!トクダネ取材班」には9日、県内の保護者らから学習への影響や、家事の負担増に悩む声などが寄せられた。

 県内では13日から県立高校3年生の対面授業が再開するが、1、2年生はオンライン授業が継続する。小中学校は13日以降も分散登校とオンライン授業の併用を続ける所がある一方、通常授業の学校もあり、市町村によって対応が分かれている。

 小学生、中学生、高校生の3人の子どもがオンライン授業を受ける大垣市のパート職員の女性(48)は、小4の長男のため仕事を休むなどして対応している。「ワクチン接種済みの子はまだ少ない。通常登校よりは安心」と評価しつつ「対面授業と比べて習熟度や理解度が気になる」と話す。

◆「生活乱れる」対面授業望む声多く

 感染対策を講じた上で通常授業の再開を望む声も多かった。小6と中2の子どもがいる美濃市の女性(47)は「毎日、子どもに昼食を食べさせるのは負担。感染を恐れて活動を自粛するより、実際に感染が発生しても拡大しない対策をしていくのがいい」と語る。岐阜市内の保護者は「タブレットの小さい画面を見続けるのは目の疲労になるし、通信がうまくつながらないと集中も欠く。気持ちも緩むし、生活も乱れがちだ」とオンライン授業の継続に難色を示した。

◆生徒「空気が重い」

 児童生徒からも通常授業の再開を望む声が届いた。岐阜市の高校1年生(15)は「(オンラインでは)みんなと交流しながら楽しく授業を受けられない」、大垣市の中学1年生(12)も「発表する時以外は話せない。通常授業より空気が重く感じられる」と理由を挙げた。

 教育者からの意見もあった。岐阜市の30代男性教員は「オンライン授業だと、タブレットの先で何をしているのか分からない」と明かし、「『なんとなくやった』授業で済まされている現状がある。午前午後入れ替え制にするなどして対面授業の機会を確保し、学習保障をすべき」と訴えた。

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