古墳から出土した馬具を説明する菊地政吾さん=本巣市上保、古墳と柿の館
本年度、整備基本計画を策定する船来山古墳群=本巣、岐阜市境(県提供)

 豊かな歴史遺産が残る岐阜県本巣市。より深く理解するため市が誇る国史跡「船来山(ふなきやま)古墳群」を調べていると、ある先生から「古墳のことなら何でも知ってる中学1年生がいる」との話を聞いた。どうやら小学生の頃から現地へ足を運び、研究を続けている生徒がいるそうだ。話を聞くべく、古墳群の出土品を展示している「古墳と柿の館」(本巣市上保)へ足を延ばした。

 「ここにある出土品ならほとんど説明できるよ。当時の生活を想像するのが楽しいんです」。少し照れくさそうに話すのは、真正中学校1年の菊地政吾(しょうご)さん(13)。小学3年の時に奈良の古墳を見て感銘を受け、翌年から船来山古墳群の勉強を始めたそうだ。

 展示品の中でもひときわ目を引く馬具や武具について質問すると、「これらは鉄でできています。当時の鉄製品は大和朝廷や朝鮮半島とも関係があった証し。権力があった人しか持てないものだったんだ」とすらすらと教えてくれた。

 菊地さんは小学4年の時から、市が実施する「こども学芸員」の講座を受けており、今年で4年目を迎える。6年生だった昨年度、今までの研究の集大成として「船来山古墳群新聞」を制作。「全国キッズ考古学新聞コンクール」に応募したところ、なんと全国約300点の中から最優秀賞に選ばれた。

 菊地さんの情熱に、講座で指導する市教育委員会の恩田知美さん(45)も目を細める。17年間、古墳群を調査研究している恩田さんは「初めて来た時から意欲を感じた。結果に満足せず、新しい発見を探す姿勢は教える側にとってもうれしい」と話す。

 市は本年度、船来山古墳群の整備基本計画を策定し、今後古墳公園として整備する。県内だけでなく、京都や長野、群馬など各地の古墳を巡っている菊地さんは「たくさんの人に見に来てもらうためには、手すりや遊歩道の整備も必要。古墳群の魅力を全国の人に知ってほしい」と願いを口にした。

 【船来山古墳群】 本巣、岐阜市境にある船来山(標高116・5メートル)にある古墳群。3~7世紀の古墳約290基が点在し、独立丘陵に築かれた古墳群としては東海地方最大級とされる。方墳、円墳、前方後円墳など古墳時代の各年代の形状がそろっており、後期古墳が密集するエリアでは石室の内面が赤く彩色された赤彩古墳3基が発見されている。2019年、本巣市では初となる国史跡に指定された。