憲法改正の説明が書かれている公共の教科書(左)と資料集
公共の授業を行う竹原佑治教諭=岐阜市鴬谷町、鴬谷中学・高校

 論戦が続く参院選も10日の投開票日まであとわずか。報道各社の情勢調査では、自民党などの与党に、日本維新の会、国民民主党などを加えた憲法改正に前向きな「改憲勢力」が、非改選も含めて国会発議に必要となる3分の2以上の議席を維持しそうな勢いです。そもそも憲法改正って何? ウカイくんが、岐阜市の鴬谷中学・高校の地理歴史・公民科部長の竹原佑治教諭(37)に聞いてみました。

 ウカイくん 憲法改正って何をすることなの?

 竹原教諭 日本の憲法を改正することだよ。改憲とも言うね。日本国憲法は1946年に公布された日本の最高法規で、国民主権、基本的人権の尊重、平和主義を基本原則とし、前文と計103条で構成される。9条は戦争放棄や戦力不保持を定めているね。日本の法律や命令などは全て憲法に違反しない範囲で決められているよ。

 ウカイくん 憲法改正にはどんな手続きが必要なのかな?

 竹原教諭 国会議員が憲法改正原案を国会に提出することから始まるんだ。衆院に提出する場合は議員100人以上、参院の場合は議員50人以上の賛成者が必要になるよ。改正原案はそれぞれの憲法審査会で審議され、過半数の賛成を得られれば、衆参両院の本会議で審議される。本会議では総議員の3分の2以上の賛成がなければ可決できないんだよ。

 ウカイくん 法律みたいに国会で可決されれば成立するの?

 竹原教諭 憲法は違うんだ。国民投票をして有効投票の過半数の賛成があれば改正が決まるんだ。改正原案が衆参両院の本会議で可決された時点で、国会が改憲を国民に提案したものと位置付けられ、国民投票の手続きに入る。これを「発議」と呼ぶよ。衆院はすでに改憲勢力が議席の3分の2以上を占めていて、今回の参院選の結果、参院でも改憲勢力の議席が3分の2以上を占めれば、改憲に向けた論議が一気に進んでいく可能性もあるよね。

 ウカイくん 国民投票って選挙とは違うの?

 竹原教諭 選挙は公職選挙法に基づいてみんなの代表を選ぶために行われるけど、国民投票は2007年に成立した国民投票法が詳細を定めているんだ。満18歳以上の国民が投票できて、有効投票の2分の1を超える賛成があれば、改正を国民が承認したと見なされる。公選法は政策を訴える手段や費用など運動について細かく規定・制限しているけど、国民投票法は活発な議論や自由な発言を促す趣旨で運動に制限がほとんど設けられていないんだよ。

 ウカイくん これまでに憲法が改正されたことはあるの?

 竹原教諭 議論はされてきたけど、憲法の条文が書き換えられた例はないんだ。とはいえ、時の政権が条文の解釈を変えることで、自衛隊の活動範囲を縮小や拡張させたことはあった。自民党は自衛隊を憲法9条に明記することなど党憲法改正案4項目を公表しているよ。

 ウカイくん 難しいけど、日本で一番重要な法を変えるかどうかは大切なことだよね。

 竹原教諭 単に条文を変えることだけでなく、「どんな風に運用していくのか」までを考えながら是非を決めていく必要があると思うよ。

 ウカイくん 憲法改正についてもっと知りたくなったよ。どうやって勉強すればいいのかな?

 竹原教諭 憲法改正については、中学では「社会」、高校では「公共」の科目で勉強するんだ。2017年のセンター試験では、政治・経済で憲法改正の手続きに関する問いが出題されたよ。ただ、教科書も大事だけど、ニュースなどを見て自分で考えてみることも大事。年齢に関係なく、社会のみんなで考えていけるといいね。