「足が速くなる魔法のダンス」に取り組む児童=本巣市見延、一色小学校

 コロナ下で子どもの運動不足が懸念される中、岐阜県本巣市と岐阜大教育学部が連携し、市内8幼児園で運動遊びの取り組みを進め、園児の体力測定記録を伸ばしている。コロナ下でも体力が衰えなかったとして、スポーツ庁も関心を寄せた。本年度から幼児園に続いて市内の小学校と義務教育学校計9校にも取り組みを広げ、「足が速くなる魔法のダンス」と銘打ったダンスの指導を始めている。

 市教育委員会は、2017年から同学部の春日晃章(こうしょう)教授と協力し、遊びを通して体を動かす「アクティブチャイルドプログラム(ACP)」と名付けた活動を進めてきた。新聞紙をめがけたボール投げや、綱引きのロープを使ったターザンごっこなど、運動にゲームの要素を取り入れることで、子どもが自発的に運動するように仕かけた。

 運動遊びの実践後、体力測定の記録は向上し、25メートル走、ソフトボール投げ、立ち幅跳びの各種目で、右肩上がりとなった。20年のコロナ下以降、安全対策を取りながら運動遊びを続け、全国の学校で体力測定の結果が急激に悪化する中、同市は高水準を維持し続けた。

 運動遊びは、子ども同士が遊び方を考えることで、協調性やコミュニケーション能力の向上にもつながった。川治秀輝教育長は「運動能力も向上したが、それ以上に子ども自身がよく動き、よく考え、強くて優しい心が育っている」と振り返る。

 市教委は、幼児園での成果を小学校に上がっても継続しようと、運動遊びの取り組みを始めることにした。17日は同市見延の一色小学校で、1~3年生約80人が、アップテンポな曲に合わせ、動物や飛行機などをまねた踊りで汗を流した。3年生(8)は「いろんな踊りができて楽しかった。早く走れるようになって、50メートル走で9・5秒を目指したい」と笑顔を見せた。

 春日教授によると、「魔法のダンス」は通常の体操に比べ、足を大きく上げ、切り返しの動きも多いことから、肉体的には激しいトレーニングにはなるが、音楽に合わせることで楽しんでできるという。春日教授は「朝の運動に取り入れれば、子どもの動きが一目で見られるため、体調チェックにもつながる」と語った。

 本年度内に、春日教授が各小学校を訪問して「魔法のダンス」を指導し、体育や朝の運動での定着を図る。