コロナ拡大で小中学校や高校が休校。オンライン授業の動きも広がった=5月、恵那市内

 オリンピックイヤーのはずが、新型コロナ禍一色になった2020年。無料通信アプリのLINE(ライン)で読者とつながる岐阜新聞の「あなた発!トクダネ取材班」は、フォロワー(登録者)に今年の重大ニュースや自身の「マイ重大ニュース」を尋ねた。多くの人が新型コロナ関連の出来事を挙げ、コロナ禍を機に生活様式や価値観が変わったことを大きな出来事として受け止めていることが浮かび上がった。

 アンケートは16~20日に登録者約3千人を対象に実施。10~80代の計551人(うち県外17人)から回答があった。

 マイ重大ニュースは、初孫誕生など家族の話題のほか、多くの人がコロナ禍で生活様式や価値観が変わったことを挙げた。外出自粛要請などで「毎年恒例の旅行に行けなかった」(岐阜市、60代パート女性)、「故郷へ帰れない」(岐阜市、50代女性会社員)と不安や不満を募らせる人がいる一方、「時間に余裕ができ、新しいことにチャレンジできた」(大垣市、40代自営業男性)と変化を前向きに捉える人もいた。

 オンラインの会議なども普及し、岐阜市の50代女性会社員は「自宅にいながら、やり取りが便利」、不破郡垂井町の30代女性会社員は「疎遠だった人と距離が近づいた」と評価。「オンライン飲み会を開いた」という年配者もいた。

 一方、仕事への影響は深刻で、岐阜市の50代自営業男性は「度重なる飲食店の時短営業」と回答。同じく60代パート男性は「3月に定年退職したが、コロナの影響で再就職先がなかなか見つからず苦労した」と回答。「マスクが売り切れ、店頭で2時間並んだ」(関市、40代女性公務員)や「コロナで岐阜県に移住したが、なかなか周囲に言えない」(高山市、30代女性会社役員)といった回答もあった。

 さらに、本紙報道部が選出した15項目の県内ニュースから、重大と思うものを複数回答で選んでもらうと、新型コロナ流行を受けた「小中高の休校」が最多。3カ月に及ぶ異例の長期休校は家庭への影響も大きく、6割以上の人が選択した。

 「大河ドラマ『麒麟(きりん)がくる』効果で県内ドラマ館などにぎわう」も回答者の半数以上が選び、上位に。コロナ禍で休館も強いられたが、県内のゆかりの地が全国の歴史ファンの注目を集めた。

 15項目以外では、高山祭の屋台行事など各地の催しの中止やオンライン配信、学校のオンライン授業や卒業式・入学式の縮小、スポーツ大会の中止などが挙がった。ドン・キホーテ柳ケ瀬店(岐阜市)の閉店や、パジェロ製造(加茂郡坂祝町)の閉鎖決定を挙げる人もいた。

 また、社会現象にもなった人気漫画「鬼滅の刃」のテレビアニメや映画の主題歌を歌う、関市出身の女性歌手LiSAさんに注目し「LiSAさんが大ヒット」(岐阜市、50代女性公務員)と推す声もあった。

◆フォロワーが選んだ重大ニュース(得票順)

①新型コロナウイルス流行で、小中高が休校

②大河ドラマ「麒麟がくる」で県内ドラマ館などにぎわう

③岐阜市の路上でホームレスの男性が死亡

③県が独自の「非常事態宣言」

⑤7月豪雨で下呂市などに甚大な被害

⑥岐阜市の中3いじめ自殺で同級生3人を家裁送致

⑦全国に緊急事態宣言 県内が休業要請と協力金支給

⑧来年の県知事選に史上最多の5人が出馬表明(後に1人断念)

⑨下呂温泉合掌村で2億6500万円の使途不明金

⑩県内上場企業の中間決算、8割超が減収

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