ペルー岐阜県人会のメンバー

 ペルーにおける日系人の歴史は大変古く1899年に始まりました。南米最大の日系社会のあるブラジルよりも19年早く、中南米で日本と最も長い関係にあります。これまでに3万6千人が日本から移住し、現在10万人とも言われる日系社会があります。岐阜県民が初めてペルーに移住したのは1908年なので岐阜県とのご縁は114年を迎えました。

 その長きにわたる歴史の中で、つらい時期もありました。アメリカにおける第2次世界大戦時下での日本人排斥は有名ですが、ペルーからも日本人、日系人がアメリカの収容所に強制移送された事実があります。しかし、それら困難に立ち向かい乗り越えて、今では政治・経済・学術など各方面で活躍しています。日系2世のフジモリ大統領が生まれた国ですから、ペルーの人々の日系人へのリスペクトは高いものです。

 ペルー岐阜県人会は1983年に当時の上松陽助岐阜県知事をペルーにお迎えして正式に発足されました。現在、会員数は約80人で、現在の会長は佐藤フェルナンド氏です。会員は昔ながらの「頼母子(たのもし)講(民間の金融互助組織)」をしながら、毎月会合を持っています。互いに元気な姿を確認し、会話に花を咲かせます。そして、年末年始の忘年会、新年会には多くの人が集まり、にぎやかな時間を過ごします。

 近年、会員はスペイン語がメインになってきましたが、岐阜県からの支援で県費留学生を岐阜に送ることで、長きにわたりつながりを大事に守ってきました。また、5年ごとにペルー岐阜県人会の記念式典を執り行います。2018年には岐阜県人移住110周年・ペルー岐阜県人会創立35周年記念式典が開催され、岐阜県から神門純一副知事を始め使節団をお迎えしました。岐阜からお客さまをお迎えすることは私たちにとって、この上ない喜びです。ペルー社会の中に溶け込んで生きていますが、やはり、私たちは日本への、岐阜への愛情を強く持っているからです。

 これからも岐阜県、岐阜の皆さんとの交流が長く続くことを願っています。

 また、ペルーにはたくさんの古代アンデス文明の遺跡があり、中でも有名なのは世界遺産の空中都市マチュピチュ、クスコ、ナスカの地上絵などで、日本人観光客にも大人気です。そして、今、世界で大注目されているのがペルー料理と知っていますか? 2022年「世界のベストレストラン50」で2位に選ばれたのがリマにある「セントラル」です。海の幸もあれば、アンデスの山の幸もあるペルー料理には可能性が広がっています。

 ぜひ、魅力いっぱいのペルーに遊びに来てください。岐阜の仲間が待ってますよ。

 

◆ペルー岐阜県人会会員 小島隆洋さん略歴

 こじま・たかひろ 土岐市生まれの51歳。父親の仕事(陶器)の関係で生まれてすぐにペルーに渡った。父親は工場のオープンで帰国のはずが、そのまま首都のリマに住むことになり大学もペルーで卒業。現在はペルーの鉱山会社で地域対策に関係している仕事に従事。日本語とスペイン語のバイリンガル。2019年岐阜県庁の招待で、岐阜の伝統的な観光スポットを訪問して、岐阜の人々と触れ合ったことは忘れられない思い出。

▼メッセージ

 ペルー岐阜県人会へのサポートありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。