ハノイ岐阜県人会が開いた交流会=ベトナム・ハノイ

 私が暮らすハノイはベトナム社会主義共和国の首都で、「政治・文化の中心都市」と言われています。

 昨年の今頃は、ベトナム政府主導の厳しいロックダウン政策により、外出もままならない状況でしたが、新型コロナウイルスとの共存を受け入れる「ウィズコロナ」への方針転換後は、通常通りの生活に戻っています。

 日本からの入国制限や隔離も廃止され、今年のお盆時期には私の周りでも日本へ一時帰国をする駐在者が多くいました。人によっては、約2年半~3年ぶりの一時帰国となるケースもあり、コロナ禍における海外駐在の厳しさ、現地でのコミュニティーの重要さを痛感しました。

 現在、ハノイ岐阜県人会の会員(名簿べース)は約50人ほどです。定期的な活動内容は、ハノイ市内レストランで隔月開催をしている交流会が中心です。日本企業からの駐在者、現地採用者、現地で起業されている方、岐阜県で仕事をしたことのあるベトナム人など参加者の境遇はさまざまです。

 ベトナムへの渡航制限がなくなったこともあり、出張のタイミングで参加いただく方も増えてきました。毎回平均して20人ほどが集まり、それぞれの立場に関わらずベトナムでの生活や仕事における楽しみ、苦労を気楽に共有できる場となっています。参加者の要望もあり、今後は岐阜県にゆかりのある食材やお酒を提供しているレストランでの開催も検討しています。

 2021年1月には、岐阜県国際交流センターと連携し、岐阜県にゆかりのあるベトナム人が参加をする交流会を市内の日系五つ星ホテルで開催しました。元留学生、元技能実習生が母国ベトナムに戻り、活躍している姿を見るとうれしい気持ちになります。2022年度は、ハノイ市内での新型コロナウイルス感染拡大時期と重なり、残念ながら中止となってしまいましたが、2023年度は再び開催できることを期待しています。

 ハノイ岐阜県人会が各参加者の心のよりどころであるとともに、岐阜県とベトナムとの人的交流の架け橋となれば幸いです。

 

◆ハノイ岐阜県人会会長 清水隆さん略歴

 しみず・たかし 各務原市出身、1971年生まれ。各務原高校、広島県の大学卒業後、岐阜県企業に就職。岐阜県、東京都内勤務などを経験し、2019年5月より現地の工場長としてハノイで勤務。

▼メッセージ

 ハノイがあるベトナム北部には、ハロン湾、チャンアン、タンロン遺跡といった世界遺産など、見どころが盛りだくさんです。岐阜県に劣らず素晴らしい場所なので、皆さんぜひ一度ハノイを訪れてみてください。